tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

過ぎたるは 猶・・・、円安には限度も 

2015年12月24日 10時10分12秒 | 経済
過ぎたるは 猶・・・、円安には限度も
 前回書きましたように、日本は円安を喜べるだけの経済的な実力を持った国です。

 円高デフレで失われた20年を過ごす中で、経済評論家の中には、国の借金(国債残高)の膨張に絡めて、今に日本の ¥は暴落し、超インフレ、国債は紙屑になるなどといった人もいました。

 異常な円高を強いられて不況になっていた日本経済を少しでも活性化しようとした政府の借金政策でしたが、日本経済に実力がなければ、国債紙屑論、ひいてはデフォルトの可能性があったのかもしれません。

 幸い日本の産業は、製造業中心に、世界が欲しがる財やサービスを提供する実力を持っていましたから。為替レートが正常化するとともに、実力が発揮され、健全で安定的な日本経済という評価が定着していきました。

 今、日本経済は経済的というよりも政治・社会的な理由で、経済成長の踊り場にあるようです。
 高齢化、少子化という人口構造上の問題に加えて、経済・社会制度、税制、社会保障制度などのアンバランスな運営の結果、格差社会化が進行しているからです。

 格差社会化の進行は、国民の間に「将来不安感」を増幅させ、もともと強い日本人の貯蓄性向をさらに刺激して、 消費不足社会 になりつつあります。これが、経済の順調な成長の邪魔をしているようです。

 こうした状況を反映して、一部にはさらなる金融緩和待望論があります。過日の日銀の政策決定会合の直後、日経平均が500円も暴騰し、本当の内容が分かった途端、前日を300円以上割り込む暴落に転じたことなどは、証券業界の異常な金融緩和期待の反映でしょう。

 日本経済の現状を前提に、さらなる金融緩和、当然これはさらなる円安の期待を含むと考えられますが、これ以上の異次元緩和が適切な金融政策、為替政策でしょうか。

 この問題は、現状の、政治、経済、社会などを全体的に鳥瞰的に観察して判断するといった立場から、経済・社会状況を総合的に見、そして判断していく必要があるようです。
 次回、問題点をもう少し掘り下げて見ていきたいと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。